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インタビュー

「未経験から林業の世界に飛び込む」

一関地方森林組合 伊東日向子さん

一関地方森林組合で現場作業に携る若手女性林業者の伊東日向子さん。林業の世界に飛び込んだ理由と、その林業の魅力とやりがいについて、伺いました。

―なぜ林業の世界に入ろうと思ったのですか?

それまでは生命保険会社の営業で働いていたのですが、「地元らしい仕事に就きたい」と思い、山に囲まれて育ったこともあり、林業の世界に飛び込むことに決めました。最初は事務仕事をしていましたが、現場に連れて行ってもらった際、女性の方がチェーンソーを使って作業していて、その姿に憧れて「自分もやってみたい!」と思うようになりました。

周りに相談したら「背も大きくないし、筋肉もないからやめといたら」と言われたんですが、半ば強引に意思を押し通すような形で、2年前の春から現場を担当させてもらっています。

―現在は、主にどんな仕事をしているんですか?

森林整備がメインになります。1年の流れで言うと、まず春は「地ごしらえ」といって、苗木を植え付けしやすくするために土や枝葉等を集める作業をします。夏になると植えた苗木の周りに生えた下草を除去する「下刈り」という作業を行い、秋は低木が生えてくるのでそれを刈り取ります。この作業が終わると、木を太くするための「間伐(木を間引く)」という作業をして、次の地ごしらえまで備えます。

―今の仕事のやりがいを教えてください。

いちばんは木を切っているとき。チェーンソーを持っている時間が何よりも楽しいですね。普段、木を切るときは倒れる方向をコントロールしなければならないのですが、狙った場所にピタッと合ったときは「おーっ!」と思わず喜んでしまいます(笑)。あとは、自分が植えた苗木が年々大きくなっていく姿を見たり、自分が手入れした山がきれいになっていく姿を見たりすると、この仕事をやっていてよかったなと思いますね。

―とはいえ林業は未経験の分野。当初は不安じゃなかったですか?

不安しかなかったですね。本当に私に山仕事できるのかなと最初は思いました。ただ、班長や周りの作業員のみなさんが丁寧に教えてくれましたし、「フォレストワーカー研修」という3年間で林業に必要な資格取得ができる国の制度があるのですが、それを利用して、講師の方々にいろいろと指導してもらいました。まだまだではありますが、少しずつ技術は身に付いてきたのかなと思います。

―林業の世界は男性が多いと思いますが、職場環境はどうですか?

思っていた以上に、現場の人たちが温かく迎え入れてくれました。女性だからといって嫌な顔をされることはないですし、だからといって特別扱いすることなく、みんなと同じように扱ってもらえるのでありがたいです。ただ、どうしても女性の筋量ではカバーしきれない作業も出てくるので、そこは意地を張らずに、素直にお願いするようにしています。男性と同じ量はこなせなくても、自分ができる範囲は、一生懸命、丁寧に仕事をすることをまずは心掛けています。

―他の仕事にはない、林業ならではの魅力は何だと思いますか?

山の中で仕事できること自体が、大きな魅力だと思っています。「花が咲いてきたな」「苗木が大きくなってきたな」といった、山の良さを見つけながら働くことがとても楽しくて、それがすごく自分に合っていると言いますか(笑)。夏は暑いし、冬は寒いですが、そうした四季を感じることもできますし、街中にはない小さい感動を見つけられる、そんな素晴らしさがこの仕事にはあると思います。

―これからの目標などはありますか?

まず、森林整備で必要な仕事は、そつなくこなせるようにしたいですね。あとは、素材生産の仕事にもチャレンジしたいと思っています。そのためには、重機の仕事を覚えたり、木材の見極めができるようにならないといけません。もっともっと勉強して、たくさん仕事を覚えたいですし、ゆくゆくは自分で林業しながら、地元の大東の山を整備できるぐらいまで成長したいです。

―未来を担う若者たちに向けてメッセージをお願いします。

どうしても林業って、初期費用が掛かるんですよ。チェーンソーだけでも高額ですし、切創防止が付いたパンツや靴、それにヘルメットだって決して安くはないので、それが理由で敬遠されがちなのかもしれません。でも、先ほど話した「フォレストワーカー研修」の制度を利用すれば、国からの補助でまかなえるので、金銭面に不安がある方はどんどん利用してほしいです。それに最近は、女性の作業員もどんどん増えていて、自分の知り合いには10代、20代といった若い女の子もいます。山の中に入ることに抵抗がないのであれば、ぜひこの仕事に携わってもらいたいですね。

一関地方森林組合からのお知らせ

一関地方森林組合では、初期投資に係る チェンソー及び刈り払い機、 その他の防護等の装備品を貸与する制度 を設けております。
どうぞご気軽にご相談ください。

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